12.設定完了後のトラブルシュート
前回までで一通りの設定は終了しましたが、幾つかの問題点が発見されました。内容は次のようなことです。
1. DTI側のメンテナンスが発生した後、もしくはVMサーバーの再起動を行った時に Dovecot の設定ファイルである dovecot.conf ファイルが書き換わってしまう。
2. ウェブフォームからphpでメール送信ができない。
3. 外部ドメインからのメールを受信できない。
まず1の問題ですが、これは BlueOnyx が設定ファイルを書き換えてしまうようです。Dovecot は BlueOnyx でも使用しているため、メールを使用しない設定をしていると設定ファイルが初期化され、設定ファイルの以下の行が書き換わります。
protocols = pop3 imap → protocols =
つまり、メールを使用しないという設定のために使用するメールプロトコルを空白に書き換えてしまうわけです。プロトコルの設定が記入されていませんからサービスの起動も失敗します。
今回の場合LDAPでバーチャルドメインを使う方法で構築しているためできませんが、通常の構築であれば BlueOnyx 側で Dovecot だけを使用する設定をするのがいいのかもしれません。つまり POP3、IMAP サーバーとして構成する方法です。
私の場合は仕方がないのでコピーを作成し、メンテナンスの後にコピーしてあるファイルと置き換える方法で対処しています。
2と3の問題は smtp のポート番号を変更した後で発生しました。考えてみれば単独のメールサーバーでメールゲートウェイを兼ねているわけですから25番ポート以外を指定すれば動かないのは当然なわけで、ちょっと迂闊でした。
ということで、Submission ポートを設定することで回避しました。設定方法は簡単です。Postfix の master.cf ファイルを開き
#submission inet n????? -?????? n?????? -?????? -?????? smtpd
↓
submission inet n????? -?????? n?????? -?????? -?????? smtpd
と、コメントアウトするだけです。
Postfix をリロードすると Submission ポート587番が有効になり上の問題は解決します。
本来ならば今回の連載は SpamAssassin の実装となるところなのですが、問題が発生して実装を一時中断しています。
SpamAssassin を動作させるところまでは問題なくいっていたのですが、フィルターを通して本来の宛先に再配送するところでエラーが発生し、メールループのような現象が起こってしまいます。原因を調べているところですので、解決したら連載の続きとして掲載予定です。